無酸素銅のスピーカー端子
個人のお客さまからの依頼品です。スピーカーの端子を作ってほしい。と拘りを持って依頼されました。
音への影響という意味では、今回R面取りをして頂いた効果は、素晴らしいです。製品に角があると、それが鋭ければ、鋭い程音にエッジが立ってくる、と言うオーディオ用語書いても分からないと思いますので、簡単に書くと人の声でサ行が、サ、シ、ス、セ、ソでは無く、シャ、シィ、シュ、シェ、ショと鋭い余韻の付いた音になります。
トランペット等の金管楽器が、キンキンして少し音量を上げると、耳について非常に聞きづらくなります。その辺が大幅に緩和されて、聞きやすくなるのですが、普通聞きやすい音というのは、高域がだれてメリハリの無い音になります。
太鼓の音は、ドンという低音の前に、皮を叩くパシっと言う鋭い音が最初に出ますが、それが出ないと、ドンドン言っているだけで、歯切れの悪いタダのうるさい低音でしかなくなります。
そういったことを解消するために、様々な工夫をオーディオシステムに施しています。今回のスピ-カー端子は、最初の目的は非磁性体化して端子を作ることでした。実際に作って頂いて使ってみると、オリジナルで付いていた端子は、樹脂成形した台に、プレスした端子がはめ込んであるだけなので、結構ガタがあるのです。
そのガタがエネルギーロスになっていて、正確な信号伝達を阻害していたことが分かったのです。また電気信号を中継する端子も、エッジがあると音が立つ(先程書いたとおり)事も分かり、今回作り替えて頂くときに、追加工をお願いした次第です。
大変満足のいく結果で、20年前に購入して少し古さを感じていた音が、完璧に現代によみがえりました。今の最新型と比較しても、全く遜色がありません。なお端子のセットに当たっては、テフロンの薄いワッシャと、ナットはRANYと言う樹脂を使っています。
銅線を固定するイモネジは、チタン製です。